万葉の花 flower story
「葉月」「お盆」(8月はす)
「葉月」(はづき)
旧暦八月の別称。葉落(はちお)月、穂張(ほは)月、初来(はつき)月の略といわれる。
英語のAugustは、帝政ローマ初代皇帝のガイウス・ジュリアス・オクタビアヌスの尊称アウグストゥス("Augustus"=尊厳のある者)で、自身の名誉記念し、本来はセクリテイスであったのを取り替えて命名した。かのジュリアス・シーザーの養子だったので、
ユリウス暦を制定したジュリアス・シーザーは、自身の生まれ月である7月をJuly(ジュリアスの月)とした。
養子のアウグストゥスは、誤って運用されていたユリウス暦の運用を修正するとともに、自身の生まれ月である8月を自分の名前に変更し、それまで30日であった日数も31日に変更した。
「お盆」
陰暦七月十五日(2019年は8月15日)を中心とした、精霊まつりとも祖霊まつりとも呼ばれる。
先祖の霊をお迎え供物を供えて慰める日本固有の魂まつりの風習と、仏教の盂蘭盆会が結合した、今のお盆の形となっている。
十一日:盆花とり(精霊棚に飾る秋花を祖先の霊が漂う山に入って摘む)
十三日:精霊迎え(供物や精霊棚を飾り、迎え火をたく)
十五日:盆、中元(迎え火の煙とともに家に帰ってきた先祖の霊を労る)
十六日:送り盆、送り火(先祖の霊を送る)
送り火の行事として、灯篭流しや、京都の大文字焼きがある。
各地で行われている盆踊りは、もともと盆に訪れる神や霊魂を迎え慰める為に捧げられもので、神迎えと神送りの踊りが中心。
「盂蘭盆会」
陰暦七月十五日(2019年は8月15日)を中心とする、精霊祭。
六月晦日の夏越の後に来る初秋の行事。
一年を半期ずつに分けて、前期の始まりが正月、後期の始まりが盆。
本来、正月は祖霊を歳神とし、盆は生御霊に感謝し、家族の繁栄を祈る風習だった。
仏教伝来により、606年に推古天皇が日本で初めて盂蘭盆会を行い、先祖霊を祭る盂蘭盆の思想が民間にも普及したため、
「盆」といえば盂蘭盆を指すようになった。
盂蘭盆:abalambana(梵)が転訛したullabanaの音訳。倒懸(逆さ吊り)の意味。
釈迦の弟子の目連が、餓鬼道に落ちて倒懸の苦を受けていた母の霊のために
仏陀に救いを求めたという伝説に基づく。
盆 :ボンは古くはボニと呼ばれる供物を乗せる器の名称。
盆花:昔は百草が生い茂っている裏山から故人の精霊がお帰りになると考えられ、
墓地の草を刈り、道の草も刈ってお迎えした。
その道の両側に咲いている草花を盆花と呼び、故人が我家へお帰りになる時の道しるべとなった。
このため灯籠草(ホオズキ)、桔梗、女郎花、萩などの秋草が多く飾られる。