万葉の花 flower story

2019 / 11 / 01  10:26

「七五三」「霜月」(11月 クサギ)

「七五三」

旧暦の11月15日(新暦では2019年は12月11日)は「霜月の祭」といわれ、

古来、稲の収穫を終え、神に酒と新穀を供えて恵みに感謝する祭りの日。新嘗祭。

この祭日にこどもの成長を氏神に祈願し、

かつ社会の成員としてのちいを周囲から認めてもらおうというのが七五三の本来の趣旨である。

 

旧暦の11月15日に定着した理由は諸説あるが、

江戸幕府三代将軍徳川家光の袴着の儀の行われた日にちだという説、

また、五代将軍綱吉の袴着の記述を由来だとする説がある。

 

陰陽五行説に基づき、時間・方位と同じく、暦の年月日にも十二支が用いられ、

冬至を含む旧暦11月は、暦の始まりのため、毎年必ず十二支の最初の「子の月」になる。

さらに、旧暦(太陰太陽暦)なので、15日は毎月ほぼ満月になる。

旧暦11月15日は、暦の最初の子の月の、満月の日という特別な日にあたり、

「袴着の儀」という我が子の年齢儀礼、通過儀礼を執りおこなった。

 

旧暦と新暦では約1ヶ月のずれがあるが、日程だけ引き継がれ、

11月15日に、3歳の男女児・5歳の男児・7歳の女児に晴れ着を着せて神社に詣でる。

親類や近所を訪ねて千歳飴を配り家庭で祝膳につくのがならわし。

子供の成長の段階を衣服や髪の形ではっきり示して祝ったもの。

本来は内祝いで、親戚やごく親しい人が祝う。

 

文献上では、中世に

公家では、2・3歳で「袴着」を行い、

武家では、3歳で「髪置」といって

頭に綿をいただかせて白髪になぞらえ白い苧(お)でくくる儀式があった。

中世も末になると、

男女ともに5歳でつけ紐をとって小袖を着せ帯を締めさせる式があり

これを「紐とき」とか「帯なおし」と呼んだ。

それまでの一つ身の着物を三つ身に仕立て変えるため「三つ身祝」ともいう。

袴着袴着「加賀藩年中行事図絵」より

髪置髪置「加賀藩年中行事図絵」より

関連画像帯解き

 

七五三行事の基になったものはもともと民間に古くからあった。

地方では七五三といわないだけで都会とは異なる3歳・5歳・7歳の行事があった。

3歳は、子供が成長していく一つのヤマと考えられ、

この年に「紐落とし」「帯結び」「帯祝」として祝う。

この祝を4歳に行い、以後四つ身の着物を着せるので「四つ身祝」と呼ぶ地方もある。

5歳の祝は、ふつう男児の袴着の祝として知られているが、女児についてする土地もある。

7歳は、幼児期の終わりとして男女児ともに重要な境目とされ、祝の後で、子供組という組織に加わる。

明治以来の国民教育が7歳(満6歳)から始められているのは意味深いものがある。

 

「霜月」(しもつき)

旧暦十一月の別称。霜が降る月というところから、霜降付き、霜見月。

年貢の新穀を収める月であるところからシテオサメ月の略との説もある。

英語のNovemberの、novemはnineの語源であり、ローマ暦では本来は9番目の月のことであった。

ユリウス暦で7月をJuly(ジュリアスの月)、 8月をAugustとしたので、繰り下がって11月になった。